妄想記

□口内炎
1ページ/1ページ

開きかけた口を閉じる。


「なに?」


「…なに言うかわすれちゃったー。」


「なんじゃそりゃ」


本当はききたいことがある。


でも聞いたら壊れてしまいそうなので、そっとまた胸にしまい込むのです。


そう言ってまたマンガに視線を戻す彼を見て残念なような、ほっとしたような複雑な気持ちになる私。


いつも心は曇天なんだ。


いつまで続くのかというよりは、私がいつ終わらせるか、だということはわかっているけれど。


でも今はまだこのぬるま湯に浸っていたいので口を結びます。


end

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ