妄想記
□口内炎
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開きかけた口を閉じる。
「なに?」
「…なに言うかわすれちゃったー。」
「なんじゃそりゃ」
本当はききたいことがある。
でも聞いたら壊れてしまいそうなので、そっとまた胸にしまい込むのです。
そう言ってまたマンガに視線を戻す彼を見て残念なような、ほっとしたような複雑な気持ちになる私。
いつも心は曇天なんだ。
いつまで続くのかというよりは、私がいつ終わらせるか、だということはわかっているけれど。
でも今はまだこのぬるま湯に浸っていたいので口を結びます。
end