妄想記

□都合のいい解釈
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がつっ。


骨が悲鳴を上げる音。


驚いているのに私は悲鳴をあげられない。


ああ、痛いなあ。


やはりまた今日も繰り返される。


「…どうして?」


背中が痛い。


突然すぎてブレーキをかけられずぶっ飛んだあたしは店のガラスケースに突っ込んだ。


幸いガラスは無事だ。


ああ、良かった。


そんな呑気なことを考えていた。


店員や客は何もなかったかのように白々しく動く。


うん、それでいい。ことを荒立てないで。


「びっくりした!おどかさないで。」


笑顔を作り彼に駆け寄る。


彼はもちろん無言で先に店をでる。


うん、それがいい。


その私を蹴った脚は私を愛しているからこそ蹴った。


だから謝ったりなんかしなくていいんだよ。


言葉なんかいらないよ。


君がそうやって態度で示してくれるなら。


私は幸せ、なんだ。


end

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