うちのお嬢様は……

□好奇心(マット)
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 「おはようマット」
 「あっ、おはようございます」
 
 いつ見ても可愛い。
 今日は薄いピンク色のワンピースにグレーのカーディガン。地味だが、清楚でいい。
 やっぱりスカートがいいな。

 日本のアニメやマンガが好きで色々見ていたが、その中の物がホントに存在すると思っていた。
 ハイテクでオタクがいて、男は忍者かサムライで、女の子はアンドロイドかメイド、さらにとてつもなくエッチだと。

 来日して分かった。
 ほぼ全部、フィクション。
 ちょっとがっかり。

 それでもがっかりな事ばかりではなかった。
 日本人は真面目で礼儀正しく、几帳面で繊細だった。
 街を歩いていてもゴミはほとんど落ちていないし、建物はどこも清潔で、電話が壊れて使えないとかいうこともなく、自動販売機が外にあるのにもびっくりした。あっちじゃすぐ壊されて金を盗まれる。

 公共の乗り物は定刻通りだし、タクシーで乗車拒否された事もない。
 レストランやマーケットに入っても無駄に待たされることもない。あっちじゃ客がきてもずっとおしゃべりしてやがる。

 どこに行っても気分を害したことがない。

 そうそう、同じことが一つあった。
 女の子はやっぱりとてつもなくエッチだった。
 この話はまた別の機会に。

 授業しなきゃ。

 
 「前回でフランス語は終了しましたけど、次は何がいいですか? 俺が後教えられるのはスペイン語とロシア語ぐらいですけど」
 「どっちがおもしろい?」
 「スペイン語の方が便利です。色んなとこで使えるし。アジア圏でも、南米でも。北米でもスペイン語圏の人多いから使えると便利かな」
 「じゃぁスペイン語にする」
 「はい。でもテキストまとめてないから今日は……ネットで調べものにしましょう」
 「またゲーム?」
 「違います。スペイン語の歴史とか」
 「一応勉強ね」
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