novel

□コンビ=結婚
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「なぁ小松……」

トリコさんがいとおしそうに僕を見る

「い・や・です」

そんなトリコさんに僕はキッパリと告げる

「小松……」

「そんな顔したって、ダメなものはダメです!!」

トリコさんの哀しそうな顔を見ていると、つい「いいですよ」と言ってしまいそうになる

「なんでダメなんだよ…。まさか、俺以外の奴と…!?」

「そんなわけないでしょう!!!一度冷静になりましょうよ!!」

「俺は何時でも冷静だ!!後は判子押すだけだろ!!無駄な抵抗は止めろ!!!」

「激しく抵抗することをここに宣言します!!第一、僕は男ですよ!?なに当たり前のように婚姻届に僕の名前を書いてんですか!!」

突然トリコさんが家に来て、持ってきた婚姻届に判子を押せと言われてかれこれ一時間は経っている

「俺達コンビだろ!?」

「普通、コンビだからって結婚はしません!!」

「俺とは遊びだったのか!??」

「遊びって…人聞きが悪いこと言わないでくださいよ!!」

さっきから同じ会話がエンドレスリピート状態だ

「やっぱり…ココか!?」

「違いますっ!!」

「じゃあ、サニーか??」

「違いますって!!」

「まさかのゼブラ!?
?」

「違うって言ってるでしょ!!っていうか、なんで男性ばっかりなんですか!!」


暴走し始めたトリコさんはもう誰にも止められない

「もしかして、鉄平か!?いや、マッチか!?それとも滝丸!??」

「……」

「もしや、スタージュン!??敵にまで色目つかってんのか!?」

バンッ!!!

「いい加減にしてくださいっ!!!!」

机を叩いて椅子から立ち上がる

「どうしてそんなこと言うんですか!!」

僕は涙目になりながら目の前に座るトリコさんに聞く

「不安なんだよ」

「へ?」

トリコさんは辛そうな顔をして僕にこう続けた

「コンビ組んで、小松のことがもっと好きになった。だが、小松は色んな奴に求められてる……ゼブラがいい例だ。いつか小松が俺とは違う奴と一緒に居るかもしれねぇって考えちまうと、コンビって名だけじゃ不安なんだよ……」

「な…なんで信じていてくれなかったんですか……」

トリコさんの想いの全てを聞き、嬉しさに涙が溢れてきたと同時に、自分の想いが伝わっていなかったことに悔しさが込み上げてくる

「小松…」

「僕だって…トリコさんが好きなのに……どうして、僕のこと信じてくれないんですか……


なにより、トリコさんが僕のことを信用してくれていなかったことが一番辛かった

「ごめんな、小松。お前を疑っちまって…」

「いえ、僕も不安にさせてすみません。でも、これだけは言えます。僕は今までも…そしてこれからもトリコさんが一番だってことが!!!」

「小松ゥゥゥゥゥゥ///」

「に"ゃーっ!!!潰されるゥゥゥゥ!!」



あの後、トリコさんが持ってきた婚姻届は紙飛行機にしてトリコさんが飛ばしてしまいました…






(でも、小松のウェディングドレス姿が見られないのは残念だな)

(僕に着せる気だったんですか!??)













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