novel

□貴方の好きな人
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ゼブラさんはよく人と喧嘩をしたがる。
恋人同士になる前は、ただじゃれているだけかな?とあまり気にしていなかったが、今はそれだけじゃない気がする。

「なんでテメェが居んだよ」

「居ちゃいけない理由でもあるのかい?」

「うるせぇ!!」

今だって、ココさんが家に来ただけで喧嘩を売っている。
思えば、ゼブラさんが喧嘩を売るのはココさんの方が多い……

「らしくないな…顔が真っ赤だよゼブラ?そんなに一緒に居たかったの?お前は本当に独占欲が強いね。」

「こ……殺す///」

(一緒に居たかった!??もしかして、ココさんと!?)

じゃあ、やっぱりゼブラさんはココさんのことが……そう考えると我慢していた涙が一気に溢れてきた

「「!??」」

「ゼブラさん、ココさん……お邪魔してすみませんでした…。僕、ちょっと散歩してきます。」

「小松君!?」

「おい、邪魔ってどういうことだ!?小僧!!!」

二人して同じタイミングで慌てて……本当に仲がいいんだな…
そんな二人の邪魔したらいけないよね

「そのままの意味です…。ゼブラさん、無理して僕と付き合わなくてもいいんですよ。どうかココさんとお……」

バァン!!!

言い終わる前にゼブラさんがテーブルを叩いた音によって僕の言葉は遮られた

「ふざけんなよテメェ……誰がいつ無理してるっつたんだよ!!!」

「だって、ゼブラさん本当はココさんのことが好きなんでしょ!!??」

「「はぁ!??」」

「ゼブラさん、ココさんによく突っ掛かるし……」

僕がそう言うと、ココさんが吹き出した

「あははははは!!何を言い出すかと思えば…。小松君、君は本当に可愛らしいね。」

「なっ!!なんで笑うんですか!!こっちは真剣に……」

「あぁ、ごめんごめん。ついね……。ゼブラが僕のことを好きじゃないかって思うのは多分この世に君一人だけだよ」

「えっ!?」

「ったく、おぞましい想像しやがって!!勘違いも程々にしやがれ」

(勘…違い……?)

「ゼブラが好きなのは小松君……君だよ?」

「へ??」

思わず間抜けな声が出る

「ゼブラは君のことが好きで好きでしょうがないのさ。それをからかうのが楽しくって楽しくってついね…」

「じゃあ、ココさんはゼブラさんのこと…」

「うん、本当にスゴい発想だね! それにどこまでも鈍感だ…僕が好きなのは……」

ココさんが僕の頬に手を添えて言葉の続きを口にしようとしたとき、ゼブラさんがココさんの腕を掴む

「俺のモンに手ぇ出すんじゃねぇよ……」

「……フフッ本当に変わったね…」

ココさんは腕を掴むゼブラさんを見てこう続ける

「でも、僕は諦めてないからね。トリコやサニーだってそうさ…。もし、お前が小松君を泣かせるようなことをしたら真っ先に奪ってみせるよ」

「ハッ!!んなことしねぇよ…」

「どうだか…」

ココさんは僕から手を離すと、今度はトリコさんやサニーさんも連れて来るとだけ言って帰って行った


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