夢(ガンダム)
□二人がいるから…。
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リ「雨だね〜」
「それが、どうかした?リジェネ」
リ「いや。土砂降りだね」
リジェネが窓から空を見上げてそう呟いた。
リ「なんか…雷とか鳴り出しそうじゃない?」
ティ「すでに鳴っている」
「そうだね」
私がそう言うと、リジェネは驚いたような顔をして私を見た。
「な…何?リジェネ」
リ「怖がらないの?」
「……は?」
雷はだんだん酷くなって、音も大きくなる。
リ「だってほら、昔のアリアは雷怖がってたでしょ?だから、僕が慰めてあげようと思ってたのに…」
ティ「くだらないな」
リ「そんなこと言って、ホントはティエリアだってアリアのこと心配なクセに」
ティ「なっ!別に…心配など…」
「わっ」
リジェネがティエリアをからかい出したその時、一際大きな雷が落ち、停電した。
「ま、真っ暗…」
ティ「怖いか?」
「少し…ね」
リ「それじゃあ、僕と手、繋ごうよ」
そう言うとリジェネは返答も待たずに私の左手をギュッと握った。
ティ「はぁ…仕方ないな」
そう呟くと、今度はティエリアが私の右手を優しく握った。
リ&ティ「「まだ、怖い?/怖いか?」」
「んーん」
その後は、珍しくリジェネが静かだった為、三人共話すことなく過ごした。
リ「あっ。電気、復旧したね」
「そうみたい」
ティ「これでやっと、読書を続けられる」
「ありがとね、二人共」
ティ「気にするな」
リ「それより…暗闇が怖いんじゃ、アリアは一緒に宇宙行けないね」
「んー…そうでもない、かなぁ」
私の発言に、リジェネだけでなく、読書をしていたティエリアも顔をあげて、私を見た。
リ「どうして?」
「ん?だってさ…」
二人が側にいてくれるんでしょ?
そう言えば、二人してキョトンとした顔になる。
「だから、ね?ティエリアとリジェネがいれば、私に怖いものは無いんだよ」
そう言って、二人に微笑むと、ティエリアは優しく微笑し、リジェネは嬉しそうに笑った。
その笑顔が、そばにあるなら。
(私は、何処へだって行ける)
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