果てしない幻想

□雫とひとつの証
1ページ/1ページ

高「ぎ、ぎん、ぎん!!せ、先生・・・先生がァァァァァァァ!!」
銀「大丈夫だから、俺が居るから・・・」

今の晋助は、物凄く不安定だった。
俺たちの師、松陽先生が幕府によって、殺された。
丁度そこに出くわした晋助はもろに見てしまった。
先生が赤く、紅く染まる瞬間、幕府の人間が先生を殺したところを____
俺が来た頃には、血塗れになった先生と精神的に参ってる晋助だけだった。
今頃、先生を殺した奴は上司から褒められて、良い気分だろう。
晋助が、晋助がこんなにも、苦しんでるというのに。
何も知らないで、何も、何も!!!
俺は静かに、立ち上がった。

高「ぎ、ぎん・・・?」

不安な声。
今は晋助を一人にするのは危ない。
ヅラが来るまで、待つしかない。
でも、でも、俺は許せなかった。
晋助をこんなにも不安にさせた、幕府の奴を切り裂いて、引き裂いて、食い千切って、殺して、殺してしまいたかった。

銀「晋助。俺はちょっと出掛けて来るから、ヅラが来るまで、此処で大人しくして、待ってるんだよ?」

俺は何時もよりも優しい口調で言った。

高「い、嫌だァァッァァァ!!離れないでェェェェェェェ!!一人にしないでェェェェェェェェェ!!もう、これ以上奪わないでェェェェェェ!!ぎんを殺さないでェェェェェェ!!」
銀「っ!?」

これが・・・晋助の本音、かぁ・・・

高「ん!?」

俺は晋助の唇に甘く噛み付いた。
そして、俺は涙で顔をぐちゃぐちゃにしながら

銀「離れないよ。あいつらを殺すときは、二人で、だよっ!晋助ぇ!!」
高「うん!!ぎん、離れないで!!」

神様、この愛情が歪んでいるのなら、そう言って、笑えば良い。
だけど、そんなことしたら、二人で殺しに来ちゃうぞ。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ