果てしない幻想
□高杉誕生日おめでとう!!
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8月10日。
この日を楽しみに待っていたのは誰だろうか。
自分の誕生を祝って貰える記念日。
今日の主役___高杉は、冴えない朝を迎えていた。
真選組の活動が活発的になり、恋人の銀時とは会えない日々だった。
「ハァ……」
これで何度目の溜め息だろうか。
いっそのことテロリストを辞めてしまおうかと思った。
「……銀時ィ…」
銀時不足の高杉はさっきからこの言葉。
銀時が足りない、銀時が欲しい。
だけど現実は甘くない。
同時刻、万事屋当主___銀時も高杉不足でイライラしていた。
「晋ちゃん……」
「銀さん…」
「………」
「…返事がない。ただの屍のようだ」
「勝手に銀さんを殺すな!!」
こんなに騒がしくても今の銀時には、耳に入ってこない。
「……しかたがないダメ人間アルな…ちょっと待ってるヨロシ」
「か、神楽ちゃん!?」
「よっと」と言い、新八と銀時を残し、何処かへ行ってしまった。
「高杉さん…助けて下さい…」
「…何の用スか。チャイナ娘」
「杉に会いに来たアル」
「今は、ちょっと…」
鬼兵隊の船艦に神楽は来ていた。
勿論、高杉を銀時と会わせる為に。
そんな神楽と話しているのは、貴島また子。
「晋助様、今会議中なんス」
「そこをなんとか!!」
「晋助様の願いを叶えたいのは山々なんス。だけど真選組が活発的に動いている今は、厳しすぎるッス…」
「…どうした」
声が聞こえた方に向くとそこには、高杉が。
「杉ィ!!!」
神楽が高杉に抱きついた。
高杉は少し驚いたが、そのまま神楽の頭を撫でた。
その光景は誰もが見ても和む。
「銀ちゃんが杉不足ネ、だから早く会ってあげて?」
「そう言ってもなァ…」
高杉自身、銀時に会いたい。
それは変わらない。
ただ、夜に1つ仕事が残っていた。
考えていた高杉の隣に居た部下が、声をあげた。
「総督!!今日は俺たちに任せて下さい!!」
「そうッスよ!!この貴島また子、晋助様の代わりを務めて見せるッス!!」
「それに今日は…」
『誕生日でしょ?』