果てしない幻想

□高杉誕生日おめでとう!!
1ページ/2ページ





8月10日。
この日を楽しみに待っていたのは誰だろうか。
自分の誕生を祝って貰える記念日。

今日の主役___高杉は、冴えない朝を迎えていた。

真選組の活動が活発的になり、恋人の銀時とは会えない日々だった。


「ハァ……」


これで何度目の溜め息だろうか。
いっそのことテロリストを辞めてしまおうかと思った。


「……銀時ィ…」


銀時不足の高杉はさっきからこの言葉。
銀時が足りない、銀時が欲しい。
だけど現実は甘くない。




同時刻、万事屋当主___銀時も高杉不足でイライラしていた。


「晋ちゃん……」

「銀さん…」

「………」

「…返事がない。ただの屍のようだ」

「勝手に銀さんを殺すな!!」


こんなに騒がしくても今の銀時には、耳に入ってこない。


「……しかたがないダメ人間アルな…ちょっと待ってるヨロシ」

「か、神楽ちゃん!?」


「よっと」と言い、新八と銀時を残し、何処かへ行ってしまった。


「高杉さん…助けて下さい…」




「…何の用スか。チャイナ娘」

「杉に会いに来たアル」

「今は、ちょっと…」


鬼兵隊の船艦に神楽は来ていた。
勿論、高杉を銀時と会わせる為に。
そんな神楽と話しているのは、貴島また子。


「晋助様、今会議中なんス」

「そこをなんとか!!」

「晋助様の願いを叶えたいのは山々なんス。だけど真選組が活発的に動いている今は、厳しすぎるッス…」

「…どうした」


声が聞こえた方に向くとそこには、高杉が。


「杉ィ!!!」


神楽が高杉に抱きついた。
高杉は少し驚いたが、そのまま神楽の頭を撫でた。
その光景は誰もが見ても和む。


「銀ちゃんが杉不足ネ、だから早く会ってあげて?」

「そう言ってもなァ…」


高杉自身、銀時に会いたい。
それは変わらない。
ただ、夜に1つ仕事が残っていた。
考えていた高杉の隣に居た部下が、声をあげた。


「総督!!今日は俺たちに任せて下さい!!」

「そうッスよ!!この貴島また子、晋助様の代わりを務めて見せるッス!!」


「それに今日は…」

       『誕生日でしょ?』
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ