Novel

□7月7日
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今日は7月7日。
世間一般では七夕なのでマグノリアの街は活気づいていた。
もちろん行事ごとが大好きなフェアリーテイルのメンバーもギルド内でおおいに盛り上がっていた。
だが、その中で浮かない顔をしている人物が三人いた。
ナツ、ガジル、ウェンディの滅竜魔導士三人である。
世間では七夕、だが、この三人にとっては自身を育ててくれた親が姿を消した日だからだ。
事情を知っているメンバーはそのことには触れない方がいいと思い誰も触れることはなかった。
いつもなら率先して騒ぐナツに元気がないのを見かねたリサーナはナツに歩み寄った。
リ「ナツ、せっかくの七夕なんだから楽しもうよ」
ナ「楽しんでるぜ?なぁハッピー?」
ハ「あい・・・」
リ「そんな顔しながら言われても説得力ゼロだから。いつもみたく元気だしなよ」
ナ「…んな気分にはなれねぇよ」
リ「私にはナツの気持ちの全部は理解できない。でも、イグニールは居なくてもここには私たちがいるじゃない…ナツがそんな顔してたら私も悲しくなるよ…」
ナツの横に座り、悲しそうな表情でナツの顔を見つめる。
ナ「わかってる…でも、俺はイグニールに会いたいんだ」
リ「うん。わかってるよ…でも…」
ナ「まぁでも、リサーナの言うとおり今は楽しむか!」
ハ「あいさー!オイラ、シャルルのところ行ってくる。シャルルと一緒にウェンディを慰めてくるよ!」
リサーナに元気づけられて元気になったナツ見計らってたかのようなタイミングでハッピーはシャルルの下へと向かった。
ナ「ありがとな、リサーナ」
リ「お礼を言われるようなことはしてないよ。私だってイグニールに会いたいしね」
ナ「なんでだ?」
リ「だってナツの義父さんでしょ?ご挨拶にいかなきゃ」
ナ「…必要あるか?」
リ「私はナツのお嫁さんなんだからちゃんと挨拶しなきゃ失礼でしょ?」
ナ「な、何言ってんだよ
リ「ま〜た照れちゃって」
ナ「照れてねぇっての!」
リ「じゃあ短冊にお願いしにいこうよ!"イグニールに会えますように"って」
ナ「そうだな!はやく行こうぜ!」
そう言ってリサーナの手を引き短冊の下へと向かった。
そして、2人の飾られた願い事は同じこと。
"イグニールに会えますように"だった。
だが、リサーナはもう一つ裏面に書いていたのをナツは知らない。
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