中編

□3."見つめるだけで胸が痛い"か、相手は頭が痛いだろうよ
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「――で、何の用なんや?」

『実は相談があって…』

「は?!珍しっ!!
明日は嵐来るんとちゃうか!?」

ただ今あたしの目の前にいるのは志摩くんではなくそのお友達の坊くん。
いつも志摩くんばかりを追いかけているあたしがなぜ坊くんと話しているのかと言うと。
さっきも言った通り、相談があるから。
…もちろん、内容は志摩くんのことだけどね。

『え、あたし普通の日でも嵐を呼べ…』

「そんなくだらんこと言うてないではよう内容を言えや。
俺かて暇やないんや」

『ちょっとくらい冗談言ってもいいじゃーん…
まぁいいや。
でね、相談っていうのが…』

「志摩のことやろ?」

坊くんさっすが!
やっぱ勉強トップクラスなだけあって言おうとしたこと全部分かっちゃうんだね。

『あのね、ちょっとは感じてると思うんだけど…。
実は、ね。
あたし志摩くんのこと…好きなんだ』

「どぇぇぇぇ?!?!
何やその今更なカミングアウト!!
てかみんな知っとるし!
あれだけやっといて気付かないほうがおかしいし!
お前何なん!?
"ついに言っちゃった、キャッ"みたいな顔しおって!
バレバレや、ボケぇ!
しかもそんな乙女っぽい顔しとってもドキリとも何ともせんわ!」

『え…
みんな知ってたの…!?
うわぁぁ…そうだったんだ……』

「お前、知らんかったんか…。
まぁこれで分かったやろ?
みんな知ってるんやから、志摩なんかやめ…」

『でもさ!
それでみんな何も言わないんだから公認ってことだよね!』

「…は?」

そうかそうか。
公認だったなんて知らなかったよ!
今までみんなにばれないようにしてたけど、これからはもう隠す必要はないね。

「お前…今恐ろしいこと考えてへん?
それだけはやめろ」

『えぇー…
分かったよぉ』

「よし。
で、相談って何や?』

『そうだった!
あたしよく志摩くん観察してるじゃん?
だけど最近…志摩くん見つめてると胸が痛くて。
これが何なのか分からなくてさぁ…
優等生の坊くんなら分かるかなって思って。』

「…は、」

坊くんはキョトンとした顔でこちらを見ている。
あたしが想像以上に乙女だからびっくりしてるのかな。

『坊く…』

「俺はそんな訳分からん相談されるために呼ばれたんか?
くだらんわ…」

『…は、』

今度はあたしがキョトンとする番だった。
まさかあの坊くんからそんな言葉が出てくるとは。

「でも、一つだけ教えたる」

真剣な目。
こんな目をすることはめったにないため、あたしはごくりと唾をのむ。

「"見つめるだけで胸が痛い"か、相手は頭が痛いだろうよ」

『…は、え、ちょ?!』

「ほな俺は帰るわー。
まぁ絶対無理やと思うけど、気張りぃや。
周りに迷惑かけん程度に。」

そう言って手を挙げると、足早に去っていった。

『何、なの…』



(まぁでもみんな公認だし!)
(明日からも頑張ろ)


―――――――――――――――


何だかよく分からなくなってきた件。
皆さんすんまそ(-ω-`;;)

まだまだ続くよ!←


title by 確かに恋だった

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