短編

□以心伝心
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雨の日は、嫌いだ。
暗い気分になるし、憂鬱にもなる。
つまらない。何かが物足りない。

でもそんな日になぜか思い出すのは、彼の優しい笑顔。
何となく会いたくなってきた。
でも自分から電話をかけるのは照れ臭くって。
かかってこないかな、なんていつも思ってみたり。




――〜♪…

そんな時、想いが通じたのか電話がかかってきた。
この着メロは、ただ一人。
あたしが今考えていた彼だけのものだった。
急いで、電話に出る。

『…もしもし』

「《お、莉音ちゃん!
居ってくれはってよかったわ。
何や寂しなってもぉて…
声、聞きたかったんや。》」

電話を通して話しているからか、廉造の声はいつもより少し低めに聞こえた。

『う、ん…。
あたしも、何か寂しかったよ…?
廉の声、聞きたかったし』

「《ほんま?
俺ら以心伝心やなぁ!》」

さっきまでの憂鬱な気分はどこへやら。
今はすごくドキドキしている。
当然ながら廉造はそんなあたしに気付くはずもなく、楽しそうにこんなことを提案してきた。

「《なぁ、莉音ちゃんは…俺ん声だけで我慢できるん?
俺…今猛烈に会いたいんやけど》」

『う…我慢でき、ない』

「《せやろ?
せやからな、俺今からそっち行くさかいちょお待っときぃ。
ほな、な。》」

『後で、ね…。』

(うわー、うわー、うわーっ!!)

電話を切った後、あたしは無性に叫びたくなった。
だって…。
寂しくなったのも一緒だし、声聞きたかったのも一緒だし、会いたかったのも一緒だし。
もうこれは以心伝心以外の何物でもない。
外を見ると、さっきまでの雨が嘘だったかのように晴れ渡っていた。

女子寮と男子寮はすぐ近く。
もうすぐ廉造も来るだろう。

着替えるべく、クローゼットを開ける。
ピンクのスカートにお花の髪飾り、なんて某歌姫の歌の歌詞じゃないけど。
ちょっとはオシャレして迎えようかな。


…雨の日が、ちょっと好きになった瞬間。


Rainy Day

(それはあなたがかけてくれた)
(素敵な魔法)


―――――――――――――――

ちょっとだけ書き方を変えてみたけど…
どうでしょうか??

どちらもびみょう…。

駄文失礼(;´Д`)


.
 

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