青い空と真赤な君

□5th
1ページ/1ページ

時は少年と少女が運命的な出会いを果たす4日前。




「では、こちらが呼んだら入ってきてくださいね。」


「うん」




少年は予定より1日遅れて新しい環境に入り込もうとしていた。




「今日からか…面倒」




緊張というものは全くなく
寧ろだるさとかやる気のなさばかり込み上げられる。



少年は欠伸を1つし、自分が中へ入るタイミングをひたすら待った。





「では、名無しさんくん。入ってきてください。」




呼ばれて、初めてドアノブに手をかける。



少し重いドアを押すと




「ぉ、ようやくきたなー」


「名無しさんくーん、こっち席空いてるんで良かったらどうぞ」


「でた、ちゃっかり子猫さん。」



こないだ会った面子と


「名無しさんー!」


「はぁ。もう他のクラスメイトとも知り合いになったんですか。」



これからお世話になる双子に出迎えられて


とりあえず近くにあった、女の子の隣の席に腰を落とす。



「ちょっと!何許可なく隣に座ってんのよ!!」



「え、だって入り口に近いし…遠くまで行くの面倒だし」



「面倒って、勝手に座らないで!!」


あー、ほんとめんどくさい。

これ以上いい争うよりかは他の席に移動した方が利口かと思い移動しようと腰を浮かせた、刹那



「まぁまぁ、まろ眉もそんな怒るなって。」


奥村燐がいつの間にか少年達の目の前に立っていた。



「なんであんたが入ってくんのよ!!」



「しえみがいいって言ってたから、名無しさん、俺の隣にこいよ。」



そういって指差す先には
にこにこしながら席を開ける少女の姿があった。




「えへへ。燐の友達なんでしょ?良かったら、使ってね。」



「いいの?君、狭くならない?」



「私は大丈夫だよっ」



「ありがとう。」




とりあえず座る席を確保できて良かった。

少し狭いけど1つの長テーブルに3人で座る。



「燐、ありがとう。」


「おぅ、あ、えっと…」


「改めてよろしく」


「っ…!!おうっ」



まろ眉って人はキツかったけど、
比較的に優しい達ばっかで少しは安心できる、な……


ふぁぁ…

また眠くなってきたな…




「ふわぁー…」


「名無しさんくん?!来たばっかりなのに寝ないで下さい!!」


「名無しさんー?」


「んー……」


「奥村くんずるっ!!名無しさんくんの寝顔独り占めなんて卑怯や!!」

「ほんまですよ!!先生、席替えを希望します!!」


「子猫丸まで…そ、そんな競争率高いのか…」


「坊、こーゆうのは早めにぐいぐい行かんとあかんですよ。」


「はぁ……なんなんですか、これ。」

「雪男、席替えなんてしなくていいからな。」


「も…無理ぃ……ぉ腹、いっ……………ぱい……」



(こいつ可愛いぃぃぃぃぃ!!)









こうして
天使のような少年の寝顔を横に、
静かではあるが確実に闘いの幕はあけたのであった。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ