青い空と真赤な君

□6th
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「悪魔には皆、致死説があり、グールの致死説は…」


致死説、ね…

唱えるだけで死んでしまうなんて、
なんて恐ろしいものなんだ。


悪魔には皆
ってことは当然、僕や燐や父さんにもあるってこと…だよね




「ちなみに、地の王、アマイモンや水の王、名無しさんやサタンといった上級悪魔の悪魔にはまだ致死説が発見されておりません。」




良かったー…
このままずっと発見されなくていいんだけどな…



「名無しさん、良かったな。」


「燐も良かったね。……僕ら、そういうの気を付けなきゃね。」


「だよな」




燐が悪魔で本当に良かった。

こういうのって同族がいるかいないかで心配の度合いが変わるもんね。



「燐が居てくれて良かった。」


「居てくれてっていうか、俺がいるからここに来たんだろ?」


「あ、そうだった。…うん、絶対、燐のこと守るから。」


「っ…」



突然目を大きく見開いて顔をそらされる。

あれ?僕何か変なこと言ったかな…?



「燐…「はい、そこ。お喋りはやめてくださいね。」ぅ…はい…」



雪男の奴、
こうなんで聞こうとした時に止めるのかな




「じゃあ、今日の授業はここまで。」


あーもう、
どっちにしろもう終わりなら良かったじゃないか!!



「あの、り「名無しさんくーん!!」ぅ、廉造…」


「あのな、あのな!!俺と一緒にこないだ出来たスイーツの店行かへん?」


「あ、あそこなら一度子猫と一緒に行ったよ」


「なっ?!また子猫さん抜け駆けなんてせこいや!!」


「こういうのは行ったもんがちやからね」


「二人ともほんまがっつくなー…まぁ、そんなことより、こないだ名無しさんがわからんって言ってた問題を俺なりに解説しようと思ってるんやけど…」


「「坊かてがっついてるやない(です)か!!」」




あー…
完全に燐に話し掛けるタイミング失ったよ。
皆そんなに邪魔したいのかな。



でも、まぁ…


今までそんなに友達とかいなかったから
こうやってワイワイできるの凄く嬉しいな。



そうだ!!



「皆でもう一回行こうよ。燐も雪男も一緒に、ね?」



「え、いいんですか?」

「俺もいいのか?」


そのキョトンとした顔、
なんか凄く似てるな



「嫌なら来なくてええんですよー?先生と奥村くんかてライバルのうちやからなー」


「あ、それ同感です」


「いえ、是非とも行かせてもらいます。」


「なんや、すっごくあらぶりそうな気がするのは俺だけか?」


「勝呂…俺もだよ」



「皆とお出かけ、嬉しいなっ」



少年は気付かないだろう。






「じゃあ、これで手続きは完了です。」

「ありがと、メフィストさん」

「い、いえ」




少年の知らぬ所で運命が廻るのを





「明日からこっちの世界でも学生かー!!なんか楽しみだなっ!!」



少女も気付かないだろう。
自分の踏み出した一歩が
破滅へと誘うことを








「っ…」


「兄上、どうかされましたか?」


「あ、いや。別に。」


「顔が赤いですよ。恋煩いですか」

「…お前はさっきの女、高橋 瑠花を見て、何も感じなかったのか?」

「はい。というか見ていませんでした。ずっと名無しさんのこと考えていましたし。」


「はぁ…お前は…」





そして、少年と少女の運命に巻き込まれてゆくものたちも気付かないだろう。




死が交差する螺旋階段に

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