みじかいおはなし。
□初恋〜Side J〜
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僕は初めて恋をした。
初めて君を見たとき、とくんっと胸が脈を打った。
そのときはそれが何かわからなかったけれど、今ならわかる。
僕は君に一目惚れしたんだ。
「ジュード」
艶やかな黄色い髪をなびかせ、ミラが僕の名前を呼んだ。
それだけで嬉しくて胸がいっぱいになる。
「ジュード、どうかしたのか?」
ミラが不思議そうに僕の顔をのぞきこんできた。
綺麗な赤っぽい色の瞳と目があった。
「ううん、なんでもないよ。」
そう答えつつ僕は視線をそらした。
あの目に見つめられると顔が熱くなって直視できない。
「そうか? ならいいが。」
そう言うとミラは僕に背を向けて歩きだした。
僕もそのあとに続きながら、じっとミラの後ろ姿を見つめる。
そして心の中でそっとつぶやいた。
ねぇミラ、僕は君のことが───
好きだよ。