小話
□お疲れ!キャプテン!
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「「「果たし状??」」」
事情を知る、阿部と水谷以外、一様に首を傾げる仲間たちに無言で頷く。
手元にある短冊に折られた手紙は、筆で果たし状と書かれており、時代劇にでも出てきそうだ。
「何か時代錯誤だな。」
「…言うな巣山。一応先輩からもらった奴だ。」
軽くため息を吐き、横から西広が手を伸ばしてきたので、手紙を渡す。
西広の後ろから、泉や田島が興味深そうに、覗き込んだ。
「なんて書いてあんのー西広。」
「えっとねー
『野球部主将 花井梓殿
貴殿に、部費を賭けた決闘を申し込む。
時間は、本日の放課後。
決闘内容及び場所は、貴殿に任せる。
ただし、野球以外を条件とする。
勝った者が負けた者の、部費を頂く。
なお、断った場合は、野球部マネージャー篠岡千代殿の身柄を当方にて頂く。
以上
柔道部主将 金崎正行』
だって…どういうこと?」
「ふーん…て、しのーか!!」
「は?なんで、しのーか?てか、部費って、こいつ頭わりぃの?」
訝しげに手紙を見る西広、目をまん丸にして驚く田島に、悪態をつく泉。
巣山や沖、栄口と三橋も二人同様、意味が分からないようで首を傾げている。
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