正助と小娘

□第二章
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くそっ。

…ふん、まあいい。

…やはり、あれは、状況のせいだ。

そういうことにしておく。

多少幻惑されて、妙な気持になったとしても…それはあくまで、状況のせいだ。
本気で一目ぼれしたとか、そういうことは、断じてない。絶対に、ない。

そして何やら、この世界に頼る者など一人もいないとでもいうような表情で座り込んでいたあの娘を見て…。
何やら自分と引き比べ、胸に何かが刺さったような心持がして、守ってやらねばなどと馬鹿な了見を起こしたのも…。

あの、異常な状況のせいだ。
とにかく、なんと言おうと、状況のせいだ。
それ以外に…。

…。

……。

我ながら、言葉を連ねるほど、どんどん、不毛になっていくぞ。

…。

不愉快だ。この話題については、これ以上は書かんことにする。

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