私家版幕恋外伝・彦島を見守る魂


□その一
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それで少し驚いたのが、長州と薩摩からは、江戸より上海の方が近いんだってこと。
上海からは、黒船だと5日くらいで薩摩や長州に来れちゃうそうです。

日本が開国してからは、横浜に貿易に来る黒船がすごく多くなった。

外国船は上海や香港などから来るんだけど、横浜にまっすぐ行こうとすると、九州にぶつかる。
だから、どの船も必ず、九州の北の端と長州の間にある関門海峡か、南の端の薩摩にある大隅海峡を通っていかないといけない。
(地名うろ覚えだけどあってるかな)

ほんとに毎日何隻も、岸からほんのすぐそこの場所を、町や村を数回焼き払えるような大砲を何門も構えて、ときどきドカンと空砲鳴らしたりして通るらしい。

薩摩や長州の漁師さんとか農家の人とか、海の近くに住んでる人は怖くて怖くて、外国船がもし攻めてきたらどうしようと思ってるらしい…というか、もう攻めてきたことがあるんだって。
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