私家版幕恋外伝・彦島を見守る魂


□その六
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「あっ!笑ったなっ!」
と高杉さんがムキになる。
「確かに、晋作、お前は久坂の代わりにはならないな」
「何だとっ!」
また、高杉さんが桂さんの頭をはたこうとするのを、今度は桂さんはきれいによけた。

そして、私を見て、にこやかに言った。
「ねえ、ゆうさん、長州藩が他の藩より強いところは、どこだと思うかい?」

「えっ…」
いきなり話を振られて、私はあせった。

…というか。

桂さん…。
なんか、吹っ切れたせいか、にこやか度が半端じゃない。

ちょっと茶目っ気のある微笑をしただけなのに、眩しすぎてクラクラします。
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