私家版幕恋外伝・彦島を見守る魂


□その六
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そのうちに、さあっと一陣の風が吹き込んできて、そのキラキラしたものは舞い上がり、屋敷の外へ飛んで行った。

私は思わず追いかけた。

キラキラしたものは、そのまま、高く高く、天に昇って行った。

…久坂さん、二人がケンカしてたから、心配して見に来たのかな。

高杉さんと桂さんは、全然気づいてなかったみたいだけど。

「ゆう、どうした?」

私が空を見上げていたので、不思議そうに高杉さんが聞いた。

「ううん。何でもない」
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