私家版幕恋外伝・彦島を見守る魂
□EPILOG ONLY FOR OKUBO MANIA
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【主劇】ゆう
夕方。
薩摩藩邸に帰ると。
なんか、空気が張りつめてた。
やっぱりなあ…。
きっと本人は自覚ないと思うけど。
大久保さんの機嫌の悪いときって、藩邸の門に近づくだけでわかる。
だって、藩邸の全員が緊張しまくってるんだもん。
私が帰ってきたのを見て、中村さんが駆け寄ってきた。
「ゆうさぁ、何とかしたもんせ…」
何とかと言われても。
女中さんも言った。
「とりあえず、お茶をご所望されてはるので、持って行っておくれやす」
うーん。
お茶、ねえ…。