用語集

【に】 4件

【錦の御旗 (にしきのみはた)】
鳥羽伏見の戦いを発端とする戊辰戦争で、薩長などの討幕軍が掲げた旗。
これを掲げることで、自分たちは官軍(天皇の軍隊)で、幕府は朝敵ということになり、敵の戦意を完膚なきまでに叩き潰したと言える。
ある意味、日本史上最強の戦術のひとつ。

大久保さんにはやっぱり、こういう搦め手から本質を突くような戦い方が似合います。

錦旗作戦を誰が思いついたかははっきりしないが、岩倉さんや大久保さんたちが計画を立て、その半数を薩摩藩邸で、残りを長州でこっそり作った。
天皇から下賜されたものではないという点で、偽物と言われることはあるが、一応朝廷の使用許可を得てから使っているので、そのへんの解釈は微妙である。


【二重母音 (にじゅうぼいん)】
薩摩弁の音で特徴的なものの一つに、二重母音が一つの母音に変わりやすい、ということがある。(ただし語中のリ・ル・レがイに変わった場合は変化しない)

西郷→せご
大食らい→うぐれ
添い寝→せね
精一杯→せっぺ

この法則でいくと、大久保利通は「うくぼとしみっ」、一蔵は「いちず」、正助は「すすけ」、正袈裟は「すけさ」になるはずなんだけど、裏付け情報は見つかりませんでした。
(シャ行はサ行になる、語末のiは脱落するという特徴もあります)


【人参 (にんじん)】
ニンジンの原産地はアフガニスタン。日本に最初にニンジンが伝わったのは江戸時代初期で、中国経由の細長い東洋系。
現在日本で食べられている太く短いニンジンは西洋系の品種で、幕末には長崎と横浜でだけ作られていた。

なので普通に考えると幕恋の皆さんが食べているニンジンは京人参などの東洋系ってことになりますが、旬は晩秋から冬である。幕恋は夏の話なので入手不能。

西洋系ニンジンなら、どうにか夏でも収穫できないことはない。
もしかして、龍馬さんは京人参を食べられない誰かのために、わざわざ長崎のグラバーさんから西洋ニンジンの種をもらって、寺田屋のすみっこで育てていたのか?などとつい考えてしまいました。

なお、中国語で人参と言うと、高麗人参(オタネニンジン)のこと。普通のニンジンは胡蘿蔔(こらふ/こらふく)と言う。
当時の日本でもやはり人参は薬のことで、普通のニンジンはセリニンジンとか、産地名をつけて京人参や滝野川人参とか呼ばれた。

オタネニンジンは非常に高価な薬で、1本5〜10両した。
海援隊の月給は5両。住み込みの女中さんの給金が年3両。人参1本じゃ1か月分の薬にもならないので、一般庶民にはとても金が続かない。
それでも人参は重い病気に利くと言われ、特に労咳には人参くらいしか薬がないと言われていた。しかし人参の薬効は滋養強壮にすぎないので、実際に治る確率はかなり低かった。


【人相書 (にんそうがき)】
幕恋に出てくる以蔵の人相書きは見つかりませんでしたが…。
西郷さん、高杉さん、平野次郎さんの人相書き。
すいません。笑える…。

出典:早稲田大学

ただし幕末には絵入りの人相書きはない。
これは明治になって、山口県付近の観光土産として作られたものと思われます。



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