用語集

【の】 2件

【脳みそ (のうみそ)】
大久保さんが小娘をからかう時、「小ぶりの頭」や「豆粒ほどの小さな脳みそ」などの悪口をよく言う。
あれ?でも江戸時代の人って、「肝が太い」「心の臓に毛が生えている」「癪にさわる」など、人間の精神活動をつかさどる場所は五臓六腑(胴体部分の内臓)に分散してると考えてる人が多かったはず。
脳の役割を知ってるのはかなりのインテリだけだった気がするぞ。

で、調べてみると…。
脳が知能に果たす役割について、日本で最初に書かれた本は安永3年(1774年)の「解体新書」。
この翻訳のときに「神経」という言葉が造られたんだけど、それが一般に広く知られるようになるのは明治になってから。

特に明治20年(1887年)ころには、「神経」という言葉が流行語になった。
社会の激変で「神経衰弱」を病む人が多かったせいらしい。
トランプの「神経衰弱」や落語の「真景累ヶ淵」などの命名は、いかに当時「神経」という言葉が大流行して、多くの商品名に使われたかを示している。

要するに大久保さんが脳みそがどうこう言うのは全然おかしくないんだけど、当時の一般女性は「小ぶりの頭」と言われても知能が低いという意味だとはわからない。
小娘がムッとした顔をしただけで、大久保さんには「こいつ、西洋医学の知識があるぞ」とバレちゃうわけだ。
もちろん大久保さんは、小娘に物知りだななんて言ってやらないけどね。
ふふん。


【のっぺらぼう (のっぺらぼう)】
東京赤坂の紀伊国坂に、江戸や明治のころに出たと言われる妖怪。

小泉八雲の「」という話に出てくる。

この話で最初の化け物が出てくる堀端は、今の地下鉄赤坂見附駅のすぐそばの堀で、そこを渡ってすぐ北が紀尾井坂。大久保さんの追悼碑があるところ。

小泉八雲の小説を読むと、当時のあのあたりのうら寂しい様子がよくわかる。



[戻る]



©フォレストページ