用語集

【よ】 2件

【洋装 (ようそう)】
大久保さんの洋装。
小娘には普通のスーツとか言われちゃってますが、乗馬服じゃないのかなあと、思って調べてみました。

いまいち資料が少なかったのですが、どうやらキツネ狩り…それも正式の格好じゃなくて、シーズン前の晩夏から秋にかけて行われるカブ・ハンティングって狩りで着る格好で、ラットキャッチャーと呼ばれているらしいことはわかった。
キツネ狩りの格好は百何十年も前からあんまり変わってないらしくて、今でもキツネ狩りやってるクラブには、ちょいと似た写真が載ってました。
(左下リンク参照)


ちなみに洋装の上着はハントコートとかハッキングジャケットとかいうやつで、下のズボンみたいなやつはブリーチといい、ブーツはもちろん英国式の乗馬用です。

この格好はふだん着ですから、外国公使なんかに会うときは使えない。当時の礼装だったフロックコートに着替える必要があります。ま、当時の日本人相手ならバレないから、大久保さんならこれで将軍に会いに行っちゃいそうですけどね。


【横浜写真 (よこはましゃしん)】
幕末から明治の写真をよく見ると、上野彦馬や大坂屋与兵衛など西日本(長崎や京都など)の写真家や、ボードインなどのアマチュア写真家の作品はほぼすべてが白黒なのに対し、横浜の写真家の作品には色つきのものが多い。

これは、外国人向けに日本の風俗を紹介するためのお土産として売られた写真で、白黒写真の上に彩色が施されている。
この色つき写真を始めたのは、イタリア人写真家のフェリーチェ・ベアトで、彼の出版した写真集が最初と言われている。

ただし、横浜の写真でも個人用の肖像写真などは、ほぼすべて白黒なので、幕末の武士や明治の官僚の写真には彩色されたものはまず無い。
当然っちゃ当然だけど、当時の色つき人物写真は、そのほとんどが若い女性のものです。

特に幕恋の時代の写真を探すと、圧倒的にベアト撮影のものが多く、それも日本各地にわたっている。
これはベアトが1866年から数年間、日本各地に撮影旅行に出かけたため。
そのきっかけは豚屋火事と呼ばれる大火で横浜の外国人居留地の大半が焼失し、ベアトも写真館と撮りためたネガを失くしたこと。
この火事は悲劇だったが、焼け跡に西洋風の道路や建物が作られ、横浜がよくある日本の寒村から西洋風の町へと変わるきっかけにもなった。



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