BOOK

□幸せ
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僕とセバスチャンが恋人になってから早くも1ヶ月が経っていた。

今日がその記念日だったのだが…間が悪い事に裏の仕事が入ってしまい、ロンドンに向かう事になってしまった。

馬車の中から外を眺めていると、近くに人を気配を感じ、顔を向けるとセバスチャンの顔があった。
「…おい、セバスチャン。」
「はい、何でしょう。」
「顔が近い」
「…そうですか?」

セバスチャンは向かいの席に座って居るはずなのに、僕の真横に座っている。

「だから、近い!!」
セバスチャンを僕の側から押しのけ、そろそろ席に戻ればどうだと言うと、
「坊ちゃん…せっかくの記念日ですよ?馬車に乗ってるときぐらい、近くに居てもいいでしょ?」

ね?とセバスチャンは僕を抱きしめ僕の太ももの辺りをさわり始めた。

「離せ変態。」
「なぜですか??昨夜だって…て、ちょっ!!」
「ちっ」

セバスチャンは僕の右ストレスを軽くよけ僕のほっぺをつまみぎゅうぎゅう引っ張る。

「いひゃい」

「もう、ぼっちゃん!!あんな事しちゃいけません!!」

「うるさい!!にやにやと気持ち悪い顔をしながら話すお前が悪いんだろうが!!」

「坊ちゃんの可愛い姿を思い出してニヤニヤする事のどこがわるいのですか!!」

悪いに決まってるだろう!!とつっこみたかったが後々めんどくさいので止めた。

それから特にやることがなく、僕がうとうとしていると、セバスチャンは何も言わず膝を貸してくれるし、僕が安心するように髪を撫でてくれる。

こういう所はいいのにな、と思う。

「…セバスチャン」

「はい」

「…好き…だ…。」

僕の意識はここで途絶えてしまったがセバスチャンは幸せそうな顔をしていた。

こいつの幸せそうな顔をみれるのならばたまにはこんな日もいいな…。

そう思った今日この頃。


END
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