鋼殻のレギオス

□対面
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クラリーベルは生徒会塔の真下に来ていた。正面から入ってもいいが、学園都市のトップ、生徒会長に会わせてくれるとは思わない。
「仕方無いですね。外壁を登っていきますか」
一般人では到底無理だが、クラリーベル程の実力者なら容易い。
「多分生徒会長実は一番上の部屋ですね。ではっ!」
クラリーベルは足へと剄を満たし、跳躍し、そのまま外壁をかけ上がっていった。






「では3人とも帰っても構わないよ」
「はい」
レイフォンが転科届の紙を受け取り、3人は部屋を出ていこうとした。
「っ!?誰か来る」
いきなりレイフォンが身構える。
「敵か!?」
「解りません。でも学生武芸者とは思えないほどの剄の大きさです。誰かが外から侵入しようとしてるみたいです」
「何だと!?」
ヴァンゼは窓を開け、下を見る。
「うわっ!!」
いきなり何かが窓から飛び込んできた。その事により部屋にいる全員が身構える。
「ここが生徒会室ですか」
入ってきたのはレイフォンと同年代くらいの少女だった。レイフォンはどこかで見たことがあるような顔だったが、警戒を緩めない。
「そうだ。貴様は何者だ!!」
「ちょっとツェルニ留学したくて生徒会長にお話があったん、です、が…」
少女がレイフォンの方へ顔を向けたとたん、言葉が途切れた。
「れ、れ、れ、れ…」
『れ?』
少女はレイフォンを見ながられ、れ、と良い始めた。5人は頭の上に疑問符を浮かべる。次の瞬間…
「レイフォンさーー〜〜ん!!」
『は?』「む…」
突然レイフォンに抱き付いた。レイフォンも突然の事で反応できず、そのまま抱きつかれてしまった。フェリは不機嫌そうな顔をしている。
レイフォンは抱き付いた少女の顔をよく見る。そして一人の少女の事を思い出した。
「もしかして、クラリーベル、様?」
「はい!」
クラリーベルはレイフォンに飛びっきりの笑顔を振り撒き返事をした。
「えーと、レイフォン君?その方は?」
「えっと、グレンダンの王家のお嬢様の、クラリーベル・ロンスマイア様です」
「クララで良いですよ、レイフォンさん」
「クラリーベル様だと!?」
「何で王家の人間がツェルニに?」
「それより早く私のフォンフォンから離れてください。汚れます」
「ちょっと貴女!!『私の』ってどう言うことですか!?」
『いや、そんなところで揉めるなよ』
二人以外全員が突っ込んでいた。
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