鋼殻のレギオス

□小隊対抗戦
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機関部、それは自立型移動都市にとって、心臓部のような場所。
その機関部に夜中、何人かの人間が集まっていた。

「にしても大変な作業だな」
「そうだね。でもその分、お金は良いから助かるよ」

その機関部にレイフォンと同じクラスのリアがいた。
会話だけ聞けば犯罪を犯しているように聞こえるが、実は今日は機関掃除のバイトなのである。
レイフォンとリアは同じクラスであり、バイトも同じなので自然と仲良くなっていた。

「よし。そろそろ水変えに行くか、レイフォン?」
「うん」
「ならついでに私のも頼む。その代わりといったらなんだか、夜食は私が奢ってやろう」
「ニーナ先輩!?」
「えっ!?」
レイフォンとリアは驚いていた。
「ほら、さっさと行け」
「「はい!!」」


二人が水替えをして戻ってくると、ニーナが弁当を持って待っていた。

「さっさと座れ」
「はい」
「ところでニーナ先輩。何でここに?」
「何でって、私もここでバイトしてるからだ。そういえば、君には自己紹介がまだったな。私は武芸科3年第17小隊隊長、ニーナ・アントークだ。リアの上司に当たる」
ニーナはレイフォンに自己紹介を始めた。
「レイフォン・アルセイフです」
「うむ」


「以外ですね。先輩がこんなところでバイトしてるなんて」

「ここは金がいいからな、私のような貧乏学生には助かる」

それから二人はひとしきりニーナのことについて聞いた。
すると、一人の男がニーナのところに駆け寄ってきた。
「すまない、アントーク。たのむ」
「またか?」
「あぁ」

『?(・_・;?』

何のことか分からない二人は、頭の上に?を出している。

「お前らも来い。今日はもうやらなくていいだろうからな」
『?』
『電子精霊が逃げ出したんだよ。ツェルニ

そう言うとニーナの元に、光輝く幼女が降り立った。
「この子が電子精霊のツェルニだ。ツェルニ、この二人は新入生のレイフォンとリアだ」

「これが…」
「…かわいい」
二人ともツェルニになつかれていた。

「ツェルニ、そろそろ戻ってやれ。お前がいないと大変だからな」

ニーナの言葉にツェルニは頷き、手を振りながら飛んでいく。

「さて、そろそろ上がるぞ。リア、明日は対抗試合だからな、しっかり体を休めておけよ?レイフォンも良ければ見に来てくれ」
『はい

こうして、バイト初日は終わった。
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