ISwithレギオス

□旅立ち
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学園都市ツェルニで、一人の少女が深夜に戦っていた。

「ハァ!!」

少女が剣を振るう度に狼の仮面をしたもの達が切られいいく。

「フッ!!…今日はやけに多いですね!!」

少女、クラリーベル・ロンスマイアは、敵の多さに苛立ちながらも剣を振るっていた。

「ハァ、こんなもんですかね」

数は多いが所詮クラリーベルの敵ではなく、仮面の集団、狼面衆は全て消えていた。
そこに一人の青年が現れた。

「クララ、どうしたんですか?こんな夜中に?」
「レ、レイフォンさん!?」
元天剣授受者であり、クラリーベルが尊敬し、クラリーベルの思い人。

「レイフォンさん、どうしてここに?」
「今日はなんだか寝付けなくて。散歩をしていたらクララの剄を感じて、仮面の集団と戦っていたから」
「そ、そうですか…」
「それで、あの仮面の集団は何ですか?」

最悪だ。クラリーベルは心の中で舌打ちをした。ニーナは此方に関わる人間だがレイフォンは違う。これ以上レイフォンに重荷を背負わせないために今まで隠してきた。それが今バレようとしている。
どうすれば誤魔化せるか、クラリーベルは必死に考えた。しかし、その思考を邪魔する者が現れた。狼面衆に似ていて違う気配。その気配がレイフォンの後ろに現れた。

「レイフォンさん、逃げて!!」

レイフォンはとっさの事ではあったがその場から飛び退いた。
先程レイフォンの背後に現れた気配。その正体は、黒髪で黒いドレスを着た、美しい少女だった。
本来ならグレンダンにいなければいけない少女、サヤ。その少女がツェルニにいる。

「サヤ、どうしてここに?」
「貴女の質問に答えている時間は有りません。今必要なのは、茨の棘を打たれし少年です」

そう言いサヤは、レイフォンの頬に手を触れた。
「へ?」
「な!?」

一瞬の事だった。サヤがレイフォンに触れた瞬間、レイフォンの驚きの声を残して消えたのだ。

「ッ!!」
二人が消え、呆気に取られていたクラリーベルだったが、いつまでもそうしているわけにはいかない。
クラリーベルは直ぐ様ニーナの所へと向かった。
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