鋼殻のレギオス

□汚染獣襲来
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レギオスの外は荒廃した大地。汚染物質が充満している。生身の人間では五分で肺が腐り、死に至る。そんな世界を、レイフォンは生身で駆けていた。
『急いでくださいそうでないと、貴方の体が…』
「分かっています
レイフォンは叫びながら母体のいる地下へと飛び込んだ。
地下には巨大な空間が広がっていた。その中央に、腹が裂けてなお生きている汚染獣がいる。
「お前が母親か?」
レイフォンがそう呟いた。すると汚染獣は、救援を呼ぼうと口を開き始めた。
「させない
レイフォンはいち早く察知し、鋼糸から刀へと切り替え、汚染獣の首を跳ねた。
『汚染獣の生命反応、消えました。急いで戻ってきてください』
「分かりました」
そう言い、レイフォンは鋼糸を伸ばし、一気に地上へと登っていった。






ニーナは目の前の光景に驚愕していた。目の前に広がる幼生体の死体の山、山、山。しかも、皆一撃で倒されている。
「こいつはスゲーな」
ニーナの隣にいたシャーニットが呟いた。
「一体誰が…?」
リアが疑問を浮かべる。きっとその疑問は、ここにいる全ての人間が考えているだろう。
汚染獣を撃退したのはいいことだ。しかも、都市の被害は谷に足をとられた部分以外はほぼ皆無。
だがこの光景はどうにも納得できない。汚染獣の切断された断面は、背筋が凍るほど鋭い。
きっと、学生武芸者程度では成し得ない技だろう。そんな者がこの都市にいる。
「一体誰が…」
ニーナの疑問は、死体の山の中へと消えていった。
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