鋼殻のレギオス

□対面
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そして1ヶ月程の放浪バスでの旅を終え、ツェルニへと辿り着いた。

「やっとレイフォンさんに会えます。でもこれからどうしましょう?ここのトップに掛け合うのが一番早いかな?」
そう言って周りを見渡し、都市の中心にある高い塔のような建物に目が止まる。
「あそこでしょうか?ま、取り敢えず行ってみましょう」
そしてクラリーベルは、荷物を片手に歩き始めるのであった。








クラリーベルが生徒会塔に向かっている時、レイフォン、フェリ、ゴルネオの3人は生徒会室の前に来ていた。
「全く、何でこんなことをしなければならないんですか?めんどくさいです」
「まぁまぁ、フェリ先輩。早いうちに話を着けないと面倒なことになるんですから」
「そうだ。とくにロスは上層部には汚染獣襲撃の関係者だと言うことはバレているんだ。また狙われるかもしれん」
「分かりました…」
若干不服そうにしているが了承した。
「そろそろ入るぞ」
そう言い、ゴルネオは扉をノックする。
「ゴルネオ・ルッケンスです。昨日お話した件で参りました」
「入りたまえ」
中から生徒会長の返事があり、3人は扉を開け、中に入る。
「「!?」」
入ってきた人物を見て、カリアンとヴァンゼは驚く。何せ、家の生徒であり、しかも一般教養科の1年生だったからである。
「ゴルネオ、本当にそいつがこの前汚染獣を全滅させたやつなのか?」
ヴァンゼがそう問うのも仕方のないことだ。レイフォンは見た感じはどこにでも居そうな気の弱い少年に見えるからである。
「取り敢えず君、自己紹介をしてくれるかい?」
「はい。一般教養科1年、レイフォン・アルセイフです」
「ふむ、まずは礼を。先日はありがとう。君がいなければこの都市は滅んでいたかもしれない」
「い、いえ。僕はそんな…」
「早速で悪いが、幾つか質問に答えて貰いたい」
「はい」
「まず君は何者だね?あれだけのことが出来る武芸者が何故一般教養科に?」
「そ、それは…」
「会長、それは俺から話します」
「良いだろう」
「レイフォンは、俺と同じ創殻都市グレンダンの出身です。レイフォンは幼い頃から武芸の才能があり、多くの大会に出て、好成績を修めてきました。しかし、ある時事故を起こしてしまい、都市外追放となりました」
「その事故とは?」
「試合中に対戦相手を再起不能の重傷を負わせてしまったんです。その為、色々な悪評が広がり、暴動まで勃発しようかということにまでなったのです」
「なるほど。その暴動を鎮火させるために、レイフォン君を都市外追放にし、火種を消したと言うことだね、レイフォン君?」
カリアンはレイフォンに尋ねた。
「はい。僕はその事により武芸に対してトラウマのようなものがあり、武芸とは関わらないように一般教養科に入りました」
「では何故汚染獣を?」
「それは、以前対抗試合を少し見たときに、少し不安を感じて、いざとなったら僕が汚染獣を対処しなきゃいけないな、と」
「これはとんだ苦労を掛けてしまったね。確かに我々は過去の都市戦でも負け続きでね、レベルが落ち込んでいたんだ。本当に助かったよ」
「いえ」
「そこでレイフォン君、お願いがあるんだが」
「?何でしょう?」
「武芸科に転科してはもらえないだろうか?正直、君ほどの実力者を手離すのは惜しいんだよ」
「僕になんのメリットが?」
「そのトラウマを治すことが出来るんじゃないかい?それに君の奨学金ランクをAに上げてあげよう」
「それは…」
「まぁ、今すぐにとは言わない。出来れば早い内がいいな」
そう言い、カリアンはレイフォンに転科届の紙を差し出した。
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