ベイカー街
□【そのあと】
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1月6日、SH誕生日記念SS
[そのあと]
荒い息がおさまると、ワトスンは抱きしめた身体をきつくないように自分にもたれさせ、黒い髪をすいた。
「大丈夫かい」
「……」
絶頂の後の弛緩からようやくまぶたを開け、毛布の海の中からホームズはじろりとワトスンを見上げた。
「……重い。だるい。きつい」
何回やれば気が済むんだ!と、文句を言おうとして先手を取られる。
「ごめん。でも……それだけじゃないだろう?」
記憶を探るように瞳をのぞきこまれて、ホームズは頬に血が上るのを感じた。嫌だと言えば、必ずワトスンは止めてくれる。なのに、自分も我を忘れてのめり込んでしまったのは――幾度となく頂点に連れて行ってくれる、その腕を離せなかったからだ。
離せなかったどころか、もっと……とねだっていたことまで思い出して、羞恥に身体が熱くなる。
だが、こうして抱きしめられ、直に触れられているのも悪くない。少ししたらまた、燠火が煽られそうではあるけれど。
恥ずかしさを振り払い、甘やかしてくれる手の主を睨む。
「絶対このお返しはしてやるぞ。君の誕生日はいつだ!」
「さあ? 当ててくれよ、そのうちでいいからさ」
ワトスンは微笑み、色づいた唇に口づけた。
THE END.
昨夜の、“そのあと”の話でした☆
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