■main story

□穏やかな縁側で
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リョーマは縁側で横になりながら、何か珍しいものでも見るような目をぼーっと庭のほうに向けている。
ダラーっとしたり、カルピンを弄ったりしながら、視線だけは常にその庭の同じところを見つめ続けていた。
ふいに、仰向けで大の字になっていたリョーマは口を開いた。


「ねぇ、部長、そこいて暑くないっスか?」

その声で蝉の鳴く声がいっそう強くなった。


その視線の先、手塚が小さな花の鉢植えをじっと見ている。
リョーマは、しゃがみこんだまま微動だにしない手塚を不思議そうに見いっていた。


「それ菜々子さんの花壇ッスよ。」

リョーマが体を起こしながら言った。

「そうか。」

手塚の表情は変わらない。一心にその花を見ている。
リョーマは思いきって聞いてみることにした。


「その花がどうかしたんすか?」


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