■main story
□猫2
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「今日すっげーそわそわしてるぜ、珍しいじゃん。」
今度は岳人が前の席にやってきて後ろを向くように座ってきた。
「いや、悩み・・と言えば悩みか」
事実、あの難解な生き物に完全に思考を支配されている。
いつもの手塚のようなむっとした顔をするくせに、今朝のように顔をなめられた日にはどうしていいのかわからなくなる。
いや、俺がどうしたいのかは俺が一番よくわかっているが・・
こいつらに相談してみるのも一つの手か?
どう説明するか、俺は考えた。
国光は、手塚に猫耳と尻尾がついている姿で・・
「実は、猫耳がつい、た・・」
話もまとまっていないまま喋りだした途端、ただならぬ気配に言葉が止まる。
いつの間に傍にきたのか、キラーンと瞳を輝かせた忍足が、目の前にいた。
「なんて〜?猫耳?猫耳がどないしたん?」
まずい、冷静になって考えてみるとこいつらに手塚に猫耳がついてやってきた、
なんて言おうものなら面白がってついてくること間違いなしじゃねーか。
特に忍足。こいつは危険だ。またもえーとか何とか言って・・
「いや、聞き間違えだ。何でもない」
「なんやねん、猫耳がどうしたん、言うてみー?」
ずいっと更に一歩前に進み出た忍足が問い詰めてくる。
「な何でもねぇって」
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