■main story
□部長の隣は
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ここは東京郊外。青学メンバーは連休を利用して強化合宿に望んでいた。提案者は何を隠そう、乾。
「より完全な練習メニューを作りたいんだ」
大会に向けてレギュラーの個人対策メニューを練り直したい、と言う乾。いつになく熱い彼の要望に、メンバーは折れた。
そして始まった合宿一日目。なぜかいつもより力が入る青学レギュラー。それもそのはず、何しろ提案から企運営までを
「全部乾がやっちゃうんだもんにゃ〜」
菊丸はテニスコート脇の水のみ場で顔を洗いながらため息をついた。
かなりハードな練習メニューにも、今回ばかりは菊丸も音を上げずがんばっている。
「彼、間違いなく何か企んでいるよね。」
不二は菊丸にタオルを渡しながら笑って言った。
「きっとまた特製乾汁とかのまされちゃうに違いないよぉ・・うへっ」
「うんそうだね、それは嫌だよね。でも・・」
「でも?」
不二は微笑みながら、少し目を開いてコートを一瞥した。
「・・いや、なんでもないよ。さ、もうそろそろ行こうか英二。本当、僕ももう青酢はあんまり飲みたくないからね。」
「だね、あひゃまだ11時前かぁ・・もうこうなりゃやってやるぞ〜オレがんばちゃうのにゃ!」
菊丸の声がお昼前の空に響き渡る。
そうだね、と言って微笑みながら不二も後に続いた。