羊さんの夢
□太陽
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君はいつでも笑っているね
そんな君が羨ましいです
+太陽+
「あっちゃ〜、アウトだC〜」
広いテニスコートにボールの弾む音が聞こえる。
「おし!もういっちょ!」
5-2だというのに、あんなに笑っていられるのは何故だろう。
『いいなぁ、』
私はそんな彼が羨ましい。
****
授業中に「お腹が痛いので」と嘘をついて、サボった。
私はフラリと外にでていた。
「Zzz…」
『…?』
木の根元で、あの太陽みたいな笑顔をしていた彼が寝ていた。
『この人もサボり魔だったんだ』
ぼそりと呟く。
風が吹いて、彼の髪が風に靡く。
目の前の景色をみた私は、「撫でたい」という衝動にかられた。
ふわり。
触り心地は抜群だ。
「ん〜…、」
彼が目を覚ます。
『あ、すみません。起こしちゃいましたか?』
「ん〜?大丈夫だよ〜。気持ち良かったしね〜」
よくそんな恥ずかしい事を普通に言えるな、この人。
「あれ…今授業中じゃなかったっけぇ?」
『私もサボりです』
クス、と笑う。
「そっかぁ〜、じゃあ仲間だ〜」
“仲間”…。予想外の言葉に顔が熱くなった。
「君、名前は?」
『二年の坂井歩美です』
「歩美ちゃん、かぁ。俺は三年の芥川慈郎ってんだ〜」
「あ、俺テニス部だからねっ!」と付け足す芥川先輩。
…ずっと、見てたんだよ、憧れて。
「よろしくね、歩美ちゃん」
『宜しくお願いします』
そういって握手を交わした。
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