花物語

□行方知れず
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「ほんとツバキくんっていい旦那さんになりそうだよね」
『なに言ってんすか。ユズさん、新しい書類です』
「ありがと。これイビキ隊長に渡してくれる?」
『はいはいっと……12時か。ついでに餌付けしてきますね』


テキパキと書類などをそれぞれに渡していき、ついでとばかりに落ちているゴミを拾っていく。

ツバキがこの部隊に入ってからというもの、いい意味でこの部隊は変わった。

もともと面倒くさがりとはいえ世話やきなツバキはするっとイビキの世話を簡単にこなしてしまった。普通の人ならばイビキを前にすると萎縮してしまうものだが、ツバキはそんなことなく、しかも軽口を叩いてイビキに怒られることもしばしばあった。

しかも、乱雑とした部屋は嫌いなのか、男しかおらず雑に整えられた室内を清潔に変えてしまった。

ツバキ曰く、自分のわかる乱雑さはいいが、ただの汚いのは嫌いとのこと。本当のきれい好きにはわからないかもしれないが、これがツバキの性格である。

その結果、ツバキが来たことにより書類系等はすべてツバキが管理することとなった。


『イビキさーん、飯ですよー。さっっさと食わないと流動食にして鼻から管突っ込んで流し込みますよー』
「ツバキ!貴様は普通に言えないのか!!」
『普通に言ったらイビキさん気づかないでしょうが。てゆーか、言い合いとか面倒なんでちゃっちゃか飯食ってください』
「この野郎……仕事の前に躾直してやる」


結構、うまくいっている。




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