花物語・狩人滞在記
□嵐の出会い
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ジンに言われてハンター試験会場行きの船に乗ったツバキは沖に出てすぐに嵐にあっていた。
船よりも高い波が何度も襲い、船体を破壊し、ひどい揺れを誘う。
多く乗っていたいかつい男たちはその揺れにそうそうにダウンし、皆気持ち悪そうに船室に転がっていた。
ツバキはといえば、最初は船の揺れに翻弄されたが、今ではもう慣れたのか好きなことをして過ごしていた。
そんな客として乗りこんでまったく船酔いしていないのはツバキ以外に3人いた。
1人はせっせと船酔いでダウンした男たちに酔い止めの葉を渡してまわる黒髪の少年。
2人目は壁にかかったハンモックで優雅に睡眠にふけこんでいる金髪の麗人。
最後がサングラスをしたおっさんでニヤけた顔でエロ本を読んでいた。
一方、ツバキはひどい揺れをものともせず、危険な実験器具を用いて薬の調合をしていた。
時折、試験管から溢れる液体が床に溢れ、そこからジュッと音たて紫色の煙をだしているが気にしない。
また、それが近く転がっている男にかかるからたまったものじゃない。
いつの間にかツバキの周りには誰もいなくなっていた。
《これからさっきの倍近い嵐の中を航行する。命が惜しい奴は今すぐ救命ボートで近くの島まで引き返すこった》
先ほどの嵐を過ぎたのか波が収まって少ししてそんな放送が船内で流れた。
放送を聞くやいなや、船酔いをおこしていた男たちは一目散に船から降りて行ってしまった。
残ったのはツバキを含めた先ほどの4人。
男たちが下船するのを見送ったあと、ツバキたちは船長らしき赤鼻の小太りのおじさんに呼ばれた。
「結局客で残ったのはこの4人か……名を聞こう」
それぞれが名乗りを上げた。
黒髪の少年はゴン、金髪の麗人はクラピカ、サングラスをかけた男はレオリオ。
*