電波がちがくても

□はじめまして
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初めての恋だった

好きだから、何回も何回も空を見上げて
好きだから、何回も何回も祈って
好きだから、何回も何回も目から得体の知れない水が流れて

好きだから、好きだから。
大好きだから、逢いたいから



逢えないから。



『初恋は、叶わない…か』



甘酸っぱい恋愛を期待して14年。
でも実際はそんなものじゃなく。

すごくしょっぱい味で、耐えられませんでした。




どうしてと問い続けてみた。
でもやっぱり答えは返ってこなかった。
答えなんて、とっくに出てるから

七夕様にも流れ星にも願った。
でも、叶わないのは当然の事だった。

画面が邪魔で、叶わないんだ。
PCでも、携帯でもない画面ごし。



『逢いたいよ…つなよし』



どうしてあわせてくれないの、と
被害妄想してみたり。
勉強そっちのけでお祈りしてみたり。

嗚呼、一度でいいから。
彼に、沢田綱吉に会いたかった。



でも、それも無理な相談だった。
逢いたくて死にそうなのは私だけじゃないんだ。
私みたいなちっぽけな小娘が嘆いたところで、偉大な神様が叶えてくれるわけない。

それでも、願わずにはいられない私だった。



『貴方は今幸せですか』



それだけでもいいから確かめたかった。
いつも流されてしまう優しい綱吉だから、

そう思った瞬間私のゆるい涙腺はまた緩んだ。
なみだと呼ばれるものが零れ落ちた瞬間、




―「…きみ、は…?」




はっと息を呑んだ。
確かに聞こえた、愛しい声。


それが貴方からのファーストメッセージだった



はじめまして



私は必死に、返す言葉を探した

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