Mihael=keehl

□愛しいこの世界
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「ただいま」
玄関からメロの声がする。
私はいそいでメロに近づく。

「おかえり」
いつもと変わらないメロに安心する。
怪我をしていないメロに安心する。
メロが顔に火傷の後を残して帰ってきた時は死ぬほど驚いた。
涙が止まらなかった。


それと同時に、
メロがキラ事件について決心したことはこういうことなのだということが改めてわかった。

いつも死と隣り合わせなことを・・・・・

わかってはいたつもりだったが、涙が止まらなかった。
メロに心配をかけないためにもメロが居ない時に一人で泣いた。



メロはわかっているのだろうか?
私がいつもメロが帰ってきた時に安心することを。
メロを見送る時に不安でしょうがなくなることを。
メロが帰ってこないと不安で眠れないことを。





「寝てていいっていったろ」
メロは名前をみた後時計を見た。

「うん、ちょっと眠れなくて」
眠れる訳がない。
メロが毎日生きて帰ってこられるかもわからないのに・・・・・
私はメロに笑顔をむける。

するとメロの眉が少しだけ動く。
「こい、名前。寝るぞ」
そう言って名前の手を取るとベッドまで行き無理矢理寝かせる。
あとからメロも布団の中にはいってきて私の髪を触る。
私を安心させるように。

メロが隣りにいることに私は安心して眠りについた。




「名前にこんな顔をさせてるんだな、俺は」
隣で眠ってしまった名前の髪を触りながら呟く。










愛しい君との時間はもう限られているのかもしれない。
それなら、その限られた時間の中で君を愛そう。
もし、俺がこの世界に存在しなくなった時、
君はいつも通り笑って過ごせる日がくるのだろうか。
君のことだ、また俺についてくるなんて言うんだろうな。
だが、君を俺と同じ運命にさせてはいけない。
俺が命と引き換えに守るこの世界。
君と過ごした愛しい世界。
俺が消えても君はこの世界を愛してくれるだろうか。



目を閉じると君の笑顔がみえた気がした。





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