Mihael=keehl
□似合ってるって、言ってよ
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「…」
何も言ってくれない。
メロは自分からあまり話しかける方じゃないことくらい知ってる。
だからと言って、無口なわけでもないことも知ってる。
“ただ、黙っている”だけ。
だけど…今くらいその重たい口を開いてくれてもいいんじゃない?
ねぇ…
「私、髪切ったんだけど」
「…だからなんだよ」
だからなんだよって…
私は髪を切った。
ロングだった髪をショートにしてみた。
理由はなんとなく。
別に、失恋したわけではない。
「私の髪が短くなってること、気づいてた?」
「あたりまえだろ」
そして、同じ部屋にいるんだし当たり前だろと呟いた。
一応、気づいてはいてくれていたらしい。
「…感想は」
「あ?」
「私の髪型についてどう思うか聞いてんのっ」
別に、「可愛い」とか「そっちの方がいい」とか言ってほしいわけじゃない。
…言ってほしいわけじゃないけど、言ってくれないことくらい目に見えてる。
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