Mihael=keehl

□あなたに分からない私なんていなかった
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 「……ありがと」

 『…なんだよ、急に』

 「んー、なんとなく?」


 右隣を向くとメロと目があった。
 メロは黙ったまま私の目をジッと
 見てチョコを食べてる。

 私がさっき言ったことの意味、
 考えてるんだろうなあ…

 多分、今メロは普通の人じゃ考え
 られないくらいの速さで私が言っ
 た意味を考えてる。
 その考えは当たってる時が多い。
 

 「なにか分かった?」

 『……いや』

 「だろうね」


 思わず笑いがこみあげてくる。
 別にメロを馬鹿にしてるとかじゃな
 くて、今メロの頭は私でいっぱいな
 んだと思うと嬉しかったから。


 『なにがおかしい』


 私が笑ったことに機嫌を悪くしたの
 かメロは私を睨みつける。


 「なんでもない」

 『言え』


 …少し笑ったくらいでそんなに怒ら
 なくてもいいじゃない


 「メロって私のこと好きでしょ?」

 『…は?』

 「帰りが遅くなったら迎えに来てくれ
 るし、ダイエットとかしようとしても
 無理矢理食べさせてくるし」

 『……』

 「いつも迷惑かけたり心配かけてるか
 ら、言いたくなったの」


 それだけだよ。

 テレビを見ようと正面を向くとグイ
 っと引き寄せられて私の視界に入っ
 たのはテレビではなくメロのドアッ
 プでキスをされていることに気づく
 のにかなりの時間がかかった。


 『で?』


 チュッとわざと音を立てて唇を離す
 とニヤリと笑うメロ。


 あぁ、やっぱり
 この人は最初からわかってたんだ





 あなたが分からない
 私なんていなかった

 (…誕生日おめでとう)
 (最初からそう言えばいいだろ)



 ……………………………………………
 2012.12
 メロ、誕生日おめでとう!

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