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□バレンタイン
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「…集中できません」
「え?」
エイジが漫画を描いて、暇な私は雑誌を読む。
いつものこの状況。
エイジが漫画を描くのに集中できないなんて言ったのは初めてで手から雑誌を落としそうになった。








「…なにか忘れてると思うんですけど」
何か忘れてる?
エイジが?私が?
私は意味が分からず首をかしげた。






「ガビーン……今日はバレンタインデーですよ、名前」
エイジは肩をガックリと落としている。









あぁ…
なるほど、そういうことか。








「ご、ごめんエイジ!バレンタインだってこと忘れちゃってた!」
私はいかにも今気づきましたという演技をしてみた。
本当はバレンタインだってこと覚えてたし、エイジにあげるチョコだって鞄の中に入れてある。
女の子にとっては、重大なイベントの1つですよ。
忘れるわけないじゃないですか。









「ズドーン…名前……女の子の一大イベントのバレンタインを忘れるなんて女の子じゃないです」
エイジは椅子から降りて(正確には落ちて)床に寝転がってしまった。
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