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□ココアの味、知ってる?
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「どうぞ」





私の目の前にはココアが入ったコップが出される。
シンプルなマグカップに入ったココアはユラユラと湯気が出ていてとても温かそう。
ストーブが壊れて冷え切ったエイジの部屋にいる私達。
何気ないいつものココアが今日はなんだかとても有難く思える。
…でも、違和感がある。







「エイジはココアのまないの?」
「飲みますよ?」
「1人分しかコップでてないんだけど…?」
「僕と名前が同じコップで飲めばいいです」








あんたはどこかの貧乏人かっ!
お客様(私)にはお茶くらい出しなさいっておかあさんには教わらなかったのか…
まぁ、いいや。
エイジに寒いからココアが飲みたいって言ったのが間違いだった。







「自分の分くらい自分で用意する」
私は立ち上がって部屋に置かせてもらってる私専用のマグカップを取りに行こうとすると














バシッ














エイジにいきなり手首をつかまれた。
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