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□幸せの未来
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「亜城木先生は付き合っていることを公表したみたいですね」


「え?あぁ…そうだね」


「僕たちもするです?公表」


正直、驚いた。
まさかエイジがそんなことを言ってくるなんて。
驚いて動けなくなってしまった私とは違いエイジはクロウの玩具で遊んでいる。




「…本気で言ってるの?」
「僕はいつでも本気ですよ?」
「急に言われても…」
「嫌です?」



嫌なわけない。
むしろ、すっごく嬉しい。
だけど、人気漫画家のエイジに恋人がいるなんてわかったらと思うと…


「私なんかでいいの?」
「僕は名前じゃないと嫌ですケド」


普通だったら恥ずかしいことをさらっと言うエイジ。
思わず、私が赤面してしまう。



「ついでに結婚もするです?」

「……はぁああ?」

「高木先生は結婚して幸せそうです」


ますます顔が赤くなる私を見るとエイジはニヤリと笑う。



「名前は、僕と結婚したいです?」
「そ、そりゃあ…まあ……」
「はっきりしてください」
「結婚……したい…です」



エイジは満足げに笑うと、それじゃあ決まりですと言ってどこかへ電話をかけ始める。

エイジの隣に座ると頭をポンポンと撫でてくれた。







これから、どんなに辛いことがあってもエイジと一緒なら大丈夫な気がする。
もしかして、私……



「今、世界で一番幸せなのかもしれない」


小さな声でボソッと言うとエイジはこれからですと言ってフッと笑った。









2012/03/16 Fin
 

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