チョコレートな君

□同じ部屋に住むってこと?
1ページ/1ページ







部屋を出てからは小走りで追いかけると意外と早く追いついた。
王子様は後ろに私がついて来ていることに気づいていないのか後ろを向かない。


「……あのっ」

「なんだよ」


…やっぱり、気が付いてたんだ。
王子様は後ろを向かずに歩く速度も緩めない。


「ついて行けって言われたんですけど…」

「知ってる」


…知ってたんですか。
なんだか態度も冷たいし話しかけずらいな。


「お前、日本人か?」

「!……そうですけど」

「名字名前、日本生まれ。アメリカには留学のために来ている、だろ?」


何もかもバレてる…


「あなた達って何者なんですか…?」

「マフィア…って言えばわかるだろ」


マフィア…
マフィアって、あのマフィアですか?

「映画とかでよくでてくる…」

「だいたいはあってる」


すると、突然王子様は振り向いた。
突然のことに私は止まることができずに王子様の肩に鼻をぶつけてしまった。

「…すいません」

「ここがお前の部屋」

「…(無視ですか…)」

王子様が私の部屋だという場所は広くもなく狭くもない部屋だった。
ベッドとソファとテーブルがあるシンプルな部屋。
王子様はソファに座り、足をドカッとテーブルの上においてチョコをポケットから取り出し食べ始めた。

何故?

「…あの、ここの部屋って私の部屋なんですよね?」

「俺の部屋でもある」

「はっ!?な、なんで!?」

「ロッドに言われてただろーが」


ロッド…スキンヘッド男のことか。
言われてたって言うのは世話役のこと…?


つまり…
同じ部屋に住むってことですか?





●●

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ