チョコレートな君

□バッドエンドに、こんにちは
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「自己紹介ならさっきしたろ」

「で、でもっ…まだ知らないことたくさんあるし……」

頭の中がパニックになっている。
胸のドキドキがおさまってくれない。
と、とりあえず…


「近いっ……」

メロの胸板を押して距離をとった。
すると、何もなかったかのようにソファに座り足を組むメロ。
ドキドキしてたのは私だけだったらしい。

「……で、何が知りたいんだよ」

「私はこれからどうすればいいの?」

「普通に暮らせばいいだろ」

「普通にって…、学校には通ってもいいの?」

「この状況で学校に行こうとする馬鹿は名前だけだろうよ」


…学校には通わせてくれないってわけね。


「大丈夫だ、お前の悪いようにはしてない」

悪いようにはしてない…?

「学校へは退学届を出しといた名前の友達と家族には、しばらく会えないと伝えておいた」

はい…?

「どうやって……?」

メロはポケットの中から私の携帯を取り出して見せた。

「ここにあった番号の奴全員にメールしてデータは全部削除した」


嘘でしょ…
メロから私の携帯を無理矢理取って見ると、そこにはデータがありませんの文字が書いてあった。

「ちょっとっ!どういうことよっ」

これじゃあ、誰も私がいなくなったことに不思議がらないし連絡することもできなくなった。

「俺がやったんじゃない」

ロッドがホセにやらせたんだと付け加えて言う。
そんなの関係ない。

「私がどんなけ頑張って留学したと思ってんのよ…」

だんだんとこみあげてくる怒り。
悔しくて涙も出てくる。
さっきのドキドキはどこにいったのか不思議なくらいだ。

メロはだまったまま私をジッと見ている。



もう無理だ……
私の人生おわった…





バッドエンドに、こんにちは







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