チョコレートな君
□真っ暗な闇の中で
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「ちょっと来て」
今、私はとても驚いている。
確かに、友達は欲しいと言ったがこんなに早くできるとは思ってもいなかった。
メロが寝てから暇だった私もソファで寝た。
起きた時には外はもう真っ暗でベッドにメロはいなかった。
探しに行くか迷ったけど、また怖いお兄さんに遭遇するのが嫌だったから部屋にいようと決めた時だった。
ノックの音が聞こえて誰だろうと思い出てみると派手な香水くさい女が3人いて、今に至る。
「……どこに行くんですか」
「いいからついて来なさいよ」
どうやら怒っているらしい。
ここは話しかけない方がいいと判断した私は黙ってお姉さん方について行くことにした。
連れて行かれたのは外だった。
真っ暗だったから出たくなかったがお姉さん方には有無を言わせないオーラが漂っていた。
お姉さんの1人が懐中電灯のようなものを持っていたから何とか大丈夫だったけど…これ以上はヤバいかもしれない。
建物の中にいた時より急激に狭くなった視界。
フラフラしているのがばれないように懐中電灯の光だけを見て歩く。
しばらく歩くと足音が止んで立ち止まったのがわかった。
「あの……何ですか?」
「大体はわかるでしょ」
わかるでしょっていわれてもなぁ……。
私と友達になってくれるわけではなさそうだ……
声が怖いもん。
「お前、図々しいんだよっ」
何も言わず、黙ったままだった私に痺れを切らしたのかお姉さんの1人が怒鳴った。
図々しい……私が?
「来たばかりのくせに」
何の話か全くつかめない私。
「…何の話ですか?」
恐る恐る聞く。
「もう、ボスとメロに近づくなっ」
突然、腹部に痛みが走った。
どうやら殴られたらしい。
あまりの痛さにしゃがみこむ。
だんだんと遠のいていく足音。
それと同時に私の意識も遠のいていった。
真っ暗な闇の中で