チョコレートな君
□前言撤回
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「メロ、私怖いよぉ……」
いきなり震えながら泣き出す私にメロは私が言い出すのを待ってくれているのか何も言わずに頭を撫でてくれた。
今の私にはそれがとてもありがたかった。
涙が少しだけおさまった頃、私は秘密だったことを全部メロに打ち明けた。
ある日突然、暗い所や夜になると何も見えなくなったこと。
原因がわからず今まで誰にも相談できなかったこと。
夜になると私を包む闇が怖くて1人で泣いたこと。
誰かにバレる不安と、これの恐怖心から逃げるように留学してきたこと。
全部、話した。
泣きながらだったから何を言ってるのか分からない部分もあっただろうけどメロは最後まで何も言わずに聞いてくれた。
「メロっ……私、おかしいのかな?」
「………」
「死ぬのかな……?」
"死"それは私が1番恐れているもの。
怖くて怖くてたまらなかった。
「……大丈夫だ、名前は死なない」
「……え…?」
涙でぐちゃぐちゃになった顔でメロを見る。
「それは夜盲症という病気だ死ぬことはない」
「…本当に?」
「あぁ、……だが完治するとはかぎらない」
何か考えるような顔をするメロ。
でも、私は……
「……よかったぁ…」
「…何がよかったんだよ」
「ずっと死ぬのかとおもってたから……」
病気だっていうこと、死なないってことがわかっただけでもよかった
暗い所で目が見えないのにはもう慣れた。
……人にバレないようにするのも。
ただ不自由だなって思うだけ。
お姉さんにお腹を殴られて避けることも抵抗することもできない目だしね。
「骨、折れてるの?」
動いたらズキズキと痛むお腹に手を置く。
「折れてない」
「内臓つぶれてる?」
「そんなわけないだろ」
「なら大丈夫っ!」
急に元気になった私にメロはなんだコイツという顔をしているけど心配なのか私のお腹へと手を置く。
やっぱり、メロは優しいと思う。
「大丈夫だよ、痛くない」
全然痛くないわけじゃないけど大丈夫アピールをするためにメロに笑いかける。
「……不細工」
メロは嫌味ったらしく私の上に置いてあった手をグッと押した。
前言撤回
全然優しくないっ!