チョコレートな君

□私には広すぎるベッド
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「いつから気づいてた?」

「……何が」


あれから無理矢理私をベッドへ寝かせるとソファで寝ころんでチョコを食べているメロ。
2度までもメロからベッドを奪ってしまった私。
なんだか悪いなと思いながらもお腹が痛くて動けない。


「私の目のこと」


今まで家族にさえバレなかったのによりによってメロにバレるなんて。
私の弱い部分を見せたかんじでなんだか嫌だった。


「……初めて会ったとき」

「初めて会ったとき……?」


それは、私が一生涯忘れることのないであろうマフィアのアジトへ連れてこられた日。


「名前が麻薬の売買を目撃していたという報告を聞いた時に気づいた、あの時は名前は薬で眠っていたが」

「どんな報告?」


わざわざ説明するのが面倒なのかメロは嫌そうな顔をしたけど教えてくれた。

それは、
物音がしたと思って確認すると私がいた。
逃げようとしていた私を捕獲。
助けを呼ぶ素振りをしていたため薬で眠らせて連れて来た。
というものだった。


「……それだけで分かったの?」

「誰も何もない場所に向かって手を伸ばしてたらしいからな」

「……」


あぁ……、それでか。
なるほど。


「……安心しろ」

「何のこと?」

「俺以外、名前の目のことは誰も気づいてない」

「あぁ……、うん」


驚いた。
正直、メロはロッドに私の目について報告するのかと思ってた。


「わかったなら、もう寝ろ」

「たくさん寝たから眠たくない」

「俺は眠い」

「寝たらいいじゃん」

「俺が寝てる間、名前がまた誰かにホイホイついて行くかもしれないだろ」

「……すいませんでした」

「わかってんだったら寝ろ」

「そうさせていただきます」


そうは言ってみたものの、瞼を閉じてもやっぱり眠くはならない。
ソファにいるメロからチョコを食べているパキッという音が聞こえる。


「……ねぇ、メロ?」

「寝ろ」


わかってる。
わかってるから……


「一緒に寝ない?」





私は隣をポンポンと叩いた。
それは、
私には広すぎるベッド

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