チョコレートな君

□これが恋ってやつですか?
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「……誘ってんのか?」

「あ、いや、そういうのじゃなくて!」

「……」

「2度も私がベッド奪っちゃうの悪いなと思って……」

「そうだな」


……こっちは怪我してんだぞ。
「気にするな」くらい言ってくれてもいいじゃんか!
と思っていても、やっぱりベッドを奪っている私は何も言えないわけで…。


「だから、一緒に寝ない?」

「………、お前」

「……ん?」

「本当は寂しいんだろ、一人で寝るのが」


顔を上げるとファーストキスを奪われた時以来のメロの意地悪そうな顔があった。
まさか、そこまでバレているとは思わなかった私は目を見開く。


「……メロは超能力者か」

「名前がわかりやすいんだよ」


ベッドに入ってくるメロ。
さっきより狭くなったベッドは狭くなったとはいえまだ全然広い。


「……なんだよ」

「暇だから、メロの寝顔見てようと思って」


寝返りを打ってメロの方を向いた私に嫌そうな顔をする。

改めてメロの顔を観察すると私が初めてメロに会ったときに王子様かと思ったことを思い出した。


「私ね、メロを最初見たとき王子様かとおもったんだ」

「へぇ、」

「王子様じゃなかったけど」

「王子様ならこんなとこいないだろ」

「かぼちゃパンツもはいてないしね」

「…なんだよ、それ」


メロはハハッと笑った。

あ、メロの笑った顔見るの初めてかも。

なんだか………。
ドキドキする。




これがってやつですか?

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