チョコレートな君

□約束
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「まったく、しょうがない奴らだ」


テーブルに空になったグラスを置くと自分しかいなくなった部屋に氷の音が響いた。



"snakeを潰す代わりに条件がある"


あれは2、3日前のことだった。
名前が眠った後に俺のところへ来ていたメロが急にそう言い出したのは。
今までにメロに潰されてきたチームはたくさんいたが、メロが条件をだすなんて初めてのことだった。
その場にいた全員がメロに注目したが、メロは気にせず俺だけを見て話す。


"snakeを潰す代わりに……、名前を普通の生活に戻してやれ"

"………"

"もう薄々気づいるんだろ?名前は俺たちのことを言う可能性は低い"

"わかった、いいだろう"


俺がそう言った途端、メロは立ち上がって部屋へと帰っていった。
メロが名前をそこまで信頼しているなら俺も信じようと思った。
俺から見ても名前なら俺達のことを警察に売らないと思ったというのもあるが。


俺が心配してるのはそこじゃない、メロ。


「お前はそれでいいのか?」


俺が発した言葉ははやり誰もいなくなった部屋に悲しく響くだけだった。



約束





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